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STANLEY

Author:STANLEY
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雪解け

 朝起きると背中が妙に軋んだ。それが、昨日の雪掻きのせいだと気づくのにたいした時間はかからなかった。今日は、恐ろしい程の寒さが町をまるごと覆っていた。華氏マイナス15度。空気まで凍り付いてしまったようで風も吹かず、太陽だけはかんかんと射しているのに、町は気味が悪いほど静まり返っている。昨日のうちに、雪掻きを済ませておいて良かったな、と思う。
 私が思うに、治安の良さと雪掻きの具合は相関関係がある。教育レベルが高く、また治安がよい地域の住民は、雪が降ったあと、皆率先して自分のアパートの前や車の周りを雪掻きする。一方、治安の良くない地域では・・・、言うまでもない。そもそも除雪車が大通りにすら姿を現さないので、交通状況は最悪だ。

 雪掻きは、冬のいい運動だ。日曜は朝から雪掻きに追われていた。厚手のジャケットを着込み、さらにニット帽で耳を丸ごと隠す。踝まで、ずぶりと雪の中に足を突っ込みながら、せっせと粉雪を脇によせてゆく。時折、背の高いアメリカ人の女が私の横を通り過ぎる。女は私を見て、ハイと軽く声をかける。私もハイと声を返す。すると、いつかあんなアメリカ人の女に「痩せっぽち」と言われたなあと思い出して、なんだかぼんやりとした殺意を覚えながら、またせっせと雪掻きを続ける。するとなんだか、私は雪の砂漠に一人取り残されたような気分になる。
 そうこうしている間に、私は雪掻きを終え、また、とぼとぼと自分のアパートへと戻って熱いシャワーを浴びた。手足が湯に触れてひりひりする。長生きすれば、なにかいいことがあるものだろうか。私はまた、あいも変わらず自殺の事なんかを考えながら、外をぼんやりと見つめる。空はまだどんよりと鼠色がかっていて、獲物を締め付ける蛇のようにして、ただゆっくり蠢いている。

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