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STANLEY

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死はなぜ我々を魅了したか

 きるというのは一種の義務である。それは、今日のランチに何を食べるかとか、休日どうやって過ごそうかというような選択の余地の許されない事柄だ。しかし死は、ときに我々を魅了する。それは、生きるということよりずっと魅力的に思えることがある。どうしてそう思うのか。

 死は解放であり、救いである。対称的に、生きるというのは概して苦痛だ。「夢」や「努力」といった美化されがちな言葉も、死を前にしてはあまりに陳腐に聞こえる。乗り越えるべき様々な障害を見せつけられ、その後に待っているものが死であるなら、人生はあまりにも無意味だ。「人生はむなしい」というのは、今に始まった議論でもなく、太古の昔から存在していた。かつて繁栄を極めたソロモン王も「すべてはむなしい」と嘆いたではないか。人は、何千年も同じ議論を、同じ悩みを、繰り返してきた。そして、死をもって解放される。

 ただ私の場合、死が魅力的に思えるのは、私が何も愛していなかったことにある。自分自身が他の人に愛されるほどに、自分は何も愛していなかったということだ。ここでいう愛とは、男女間のロマンスだけではない。家族や、友人や、毎朝昇る太陽や、暖かい春風や、動物たちや、神への愛である。つまるところ、生きる喜びとは、何かを愛する事によって生じる。当たり前のことかもしれないが、いまさらそう気づいた。

 今年に入って、半年間で3人も知人を亡くした。父方と母方の祖母と、シカゴの友人を一人だ。祖母たちの死は、予想していたものなので、ショックではなかった。日本を訪れた際、骨と皮だけになり死につつある祖母を見て、例え平均寿命を全うできたとしても、人はこうやって死んでいくのだなと、ただそう思った。「美しく年をとる」という表現があるか、そんなことが本当に可能なのか、はなはだ疑問だ。老化は決して美しいことではないと、私は思う。

 ショックだったのは、シカゴの友人のほうだった。4歳の子供と美しい奥さんを持ち、自分で経営しているビジネスは順調に見えた矢先だった。突然の脳内出血。数日後に亡くなった。偽善的な言い方かもしれないが、独身で死んだとしてもたいして回りに影響を与えることのない私のほうが代わりに死ぬべきだったと、本当にそう思った。愛する人を亡くすのは「耐え難い悲しみ」だという。そして、誰もがいずれ経験することだ。
 
 生きる喜びは愛することから生まれるというのに、愛すれば愛するほど、それを失う苦しみも増す。これは、大きなジレンマだ。


 

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