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STANLEY

Author:STANLEY
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人間の尊厳

 特にこれといった目的地はなかった。デリーの観光地はあらかた回った。メトロに乗りこみ、どこか適当な駅で降りて歩いてみる事にした。メトロの電車内からバラック小屋が見える。カースト制度最下層・不可触民(ダリッド)。マハトマ・ガンジーによってもっと優しくハリジャン(神の子)と呼ばれた人々が住む集落だ。清潔な水はない、トイレも電気もない。あるのはバラックと汚れた毛布に包まる痩せこけた人々だけ。

 降りた駅は、思いのほか清潔な建物だったが、一歩外へ出ると体の不自由な物乞いで溢れていた。観光地でなく、旅行者が歩き回る場所ではない。道行く人は、外国人である私を気にも留めなかった。信じがたいほど劣悪な環境で暮らす人々。溢れかえったゴミが川を流れ、強烈な臭気が漂う。難民キャンプを彷彿させる集落を見かけるのは、インドでは珍しいことではない。片腕のない人、足のない人、指の欠けた人。不自由になった自身の体を見せ、施し(バクシーシ)を求める人々の中には子供や女性もいる。いったい、人間の尊厳とは何なのか。

 私は余ったお金の幾らかを、彼らに置いて回った。美しい顔立ちをした女性もいた。目鼻立ちの整った綺麗な人だったが、指が数本欠けていた。呆然と座り込むその女性の前に小銭を幾らか置くと、視線を落とし金額を素早く確認したあとは、わたしの顔を見ることもなかった。そして、宙を眺めるように視線をさまよわせている。彼らのうち幾人かと会話を試みたが、貧しい人々は英語の話せない人が多い。 写真を撮ろうと思ったが、それもやめた。インドのスラム街の写真は、私が撮影するまでもなく、すでにネットに溢れている。それに本当のところ、他人の不幸を切り取ったところで、何の問題の解決にもならないのだ。

 もらったお金で彼らが何をするかはわからない。タバコやドラックを買うだけだ、というインド人もいる。物乞いへの施しは、インドマフィアの収入源になる、という人もいる。私には真相はわからない。ただ、私としては、インド人に限らず、すべての人間に、人間としての尊厳を保って生活してほしいと思う。

 シカゴへと戻った私はインドで体験したことをあれこれとインド人の友人に話して聞かせた。そして映画「スラムドック・ミリオネア」を見た。映画の舞台はムンバイだが、どこか見覚えのあるようなインドの光景が映し出されていた。わたしは、スラム出身の男の子が幸せになっていく姿に純粋に感動した。「80%くらいは本当のインドだ」私の友人もそういった。では、真実でない部分は?・・・・少し考えて彼はこう答えた。

「“スラムドック”はミリオネアにはなれない」絶望的な響きだったが、現実的な考え方なのだろう。そして彼は、こう付け加えた、「本当のインドの貧困を見たければ、デリーでなく、ムンバイかカルカタへ行け」

 世の中には、私の知らない世界がまだまだ無限に広がっている。

Slum.jpg 
まるでスラムのような劣悪な環境で暮らす人々

Comment

No title

 
 
 「人間の尊厳」や「人権」は人生の永遠のテーマだと思います。
人間が人間であるための当然の権利。なかなか深いです。 
 とうとうインドに行かれてしまいましたね。。
なんだか沢木耕太郎著「深夜特急 インド編」(新潮文庫)みたいです。
『風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねる旅。
やっとインドに辿り着き、街中で日々遭遇する生と死のドラマを眺め続けた。
そんな日々を過ごすうちに、私は自分の中の何かから、一つ、また一つと
自由になっていったー』なんちゃって。

何か価値観が変わりましたか?それともリセットされましたか?

コメントありがとうございます

深夜特急、日本では有名な小説みたいですね。私は、まだ読んだことありません。
価値観というほど大袈裟なものは何も変わっていませんが、
シカゴは空気がきれいだと、改めて感じました。
あと、環境に適応するのが、今まで訪れた国々の中で一番難しかったのは確かです。
帰国後、酷い下痢になって8パウンドも体重減らしましたからね(笑

インドは広いので、デリーを中心とした北インドを回っただけでは、
わからない部分も多いと思います。
今度は、カルカタかムンバイから南下するような旅がしたいですね。

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