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STANLEY

Author:STANLEY
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Thailand,Taiwan,Japan,China,India
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インド門で

 「たったの2ルピーだよ、2ルピー。」そういって、まだ7歳か8歳程度の小さな女の子が擦り寄ってきた。Jaipur行きを明日に控え、デリーの観光地いくつかを回っていたときだった。手首につける小さなアクセサリーを売っていて、自分の名前を入れることができるのだという。「2ルピー、2ルピー!」その子は繰り返した。アイシャドウを塗った、ハスキーボイスのかわいい子だった。

 午後4時。相変わらずのスモッグで空は霞んでいたが、デリーの気温は最適だった。インド門前で少しくつろぎながら、他の観光客やサリーを着たインド人女性を眺めていた。ゴミは散乱しているが、このあたりは比較的よく整備されている。OldDelhiのような喧騒はない。日は傾きかけはじめ、オレンジ色に染まり始めたインド門は、私に夜が近いことを知らせてくれた。

 「いいよ、買うよ。」そのアクセサリーには全く興味がなかったが、その子を助けてあげたいと思った。彼女の持ってきた小さなノートに自分の名前を書いて渡した。「お母さんの名前も、兄妹の名前も!」その子は、もっと他の人の名前を書くよう急かしてきた。言われるままに、自分の家族の名前を書きながら、「全部で2ルピー?」と聞き返した。「ひとつ2ルピー。」その子は答えた。「こんなにいらないよ。自分の名前だけ」そう言って、ノートに書いたほかの名前を塗り消した。あーぁと、残念そうな声を挙げ、その女の子はノートを母親のところへ持っていった。

 母親がアクセサリーを作っている最中、女の子は私の腕に何かペイントを始めた。「Hey、何やってんだ?」怪訝な顔をする私にお構いなく、女の子は描き続けた。「Don't Move!(動かないで!)」わたしの腕を放そうとしない。渦と花を融合させたような柄の、インド独特の一種のタトゥーだ。

 タトゥーを仕上げた女の子は、顔を挙げてこう言った。「30分したら、水で洗っても大丈夫。アクセサリーは一文字2ルピーだから、あなたのは5文字で10ルピー。タトゥーは200ルピー。」

 あきれた子だ。「こんなタトゥーは頼んでないだろ?」私はその子の額を軽く小突きながら言った。「Give me money(お金ちょうだい。)」いたずらっぽい笑みを浮かべながら、その子は繰り返した。他の子や親たちも寄ってきた。「だめだよ。」私は10ルピーだして、自分の名前の入ったアクセサリーを取り上げた。「GIVE ME MONEY!」その子は叫びだした。他の子供や大人たちも一斉にブーイングを挙げ、私は混乱し始めた。とうとう圧力に屈して、私はその子にアクセサリーを返し、怒りと少しの恐怖心を感じながらも、その場を去ることにした。10ルピーは、彼らに渡したままだった。「Give me money!」子供たちの一人は、しばらく私の後をつけてきたが、じきに飽きたのか離れていった。

 なんて子たちだ。私は、持っていたミネラルウォーターで腕のタトゥーを洗い流した。子供に10ルピーも巻き上げられるなんて。チャイ代一杯分ほど損した。苛立たしく後ろを振り返ると、私に擦り寄ってきた、あの女の子の小さな背中がまだ見えた。「あの子は一体どんな大人に育つんだろう。」一人歩きながら、わたしは少し寂しくなった。夜になり、デリーはまた少し冷え込みはじめた。

 India Gate
India Gate and Girls

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